なんか変化ワークスタイルけんきゅうしょ

ナビを開くボタン
news_detail_mv06 Project 06

WORK IDEA 2030(前編) |
パラレルワーカーが
見据える
過去・現在・未来

ワークスタイル研究所では、2018年5月に2017年度アニュアルレポートを発刊しました。その中で、「WORK IDEA 2030」という特集を組み、20を超える2030年の未来のワークスタイルについて言及しています。
今回のレポートでは、その中でも「自分 / 他者とより良く働く」というテーマを深く掘り下げていきます。

2030年にたくさん現れるであろう、複数の仕事を掛け持ちしながら、自分らしく働くワーカーの姿を冊子の中では描いています。そこで、コクヨのクリエイティブセンターに所属しながらパラレルワーク&ライフに挑戦している安永哲郎をゲストに招き、ワークスタイル研究所 所長の若原強ともに、ワークスタイルの変化を紐解いていきます。

1「面白い人がいる」という口コミで出会い、二人ともパラレルワーカーに。

対談風景

若原強(以下、若原):
安永さんとはちょいちょいからみますけど、オフィシャルには一回も仕事でご一緒してないですよね。
もともとはRDI(コクヨの旧研究開発組織)に面白い人がいるって聞いて。音楽活動もやってるらしいし、実際に見たらすごい面白い人だった(笑)。
あらためて、今コクヨではどんな活動をされているんですか?


安永哲郎(以下、安永):
私も、中途入社してきた若原さんのことを「気になる転校生がきたぞ」みたいなノリで見ていました(笑)。
私は新卒でコクヨに入社してもうすぐ20年。今はクリエイティブセンターという組織で、千駄ヶ谷にオープンしたコクヨ直営のショップ&カフェ「THINK OF THINGS」のコンテンツ開発や、グループ全社のインナーブランディングなどを手がけています。それ以前はリサーチ部門で海外の研究機関や大学との共同研究などを行なってきました。
ずっと研究開発や新規事業開発に関わってきたので、文具やオフィス家具といったコクヨの基幹事業を直接手がける機会はほとんどなくて。前向きに言えば、コクヨに属しながらも客観的な視点で自社を見られる環境で育ってきたといえます。


若原:
安永さんはプロパーですが、私はコクヨで4社目になります。私はコンサル上がりのいわゆる“外様(とざま)”で、「コクヨをさらに良くしたい」と思って入社をしたために、社内でのヘルシーファイトも多いのですが、なぜか安永さんとは分かり合える気がしてます(笑)。
安永さんのパラレルワーク、コクヨ外の活動について教えていただいてもよろしいですか?


安永:
コクヨに入社した頃から、友人と都内のカフェやギャラリーを借りて音楽イベントの企画を始めました。会社の業務が終わってからオールナイトのコンサートを開催して、翌朝そのまま出社することもよくあって。体力的にはキツいことがあっても、両方やっているのが当たり前の状態だと思っていましたし、両者の境界を曖昧なままに生きている感覚は今も同じです。

現在はコクヨに在籍しながら、2017年からもうひとつ全く別の社会福祉法人で理事をしています。今年から来年にかけて保育園をふたつ開園する計画があり、それを手伝ってほしいと誘われたのがきっかけでした。そのとき直感的に「二者択一はダサいな」と思ったんですね。自ら制約を選び取る意味はないなと。それでコクヨの副業制度を調べてみるとまだ整備中だったので、それなら自分が実験台になりますよ、と。
今は「コクヨ:社会福祉法人=6:4」という配分でトライアルしていますが、実情は業務量も自分の気持ちも「10:10」でバランスを取っています(笑)


若原:
私も安永さんの複業申請のちょうど一ヶ月後に、会社と交渉してトライアルとしてパラレルワークを始めました。
私の時間の使い方は安永さんとは違い、基本はコクヨでフルタイムで働き、それ以外の時間をもう一つの複業にあてています。
複業の内容としては、新規事業や新規商材開発のコンサルティングを個人で行っています。今は、大手メーカーの新規性が高いサービスや製品開発に併走したり、企業ブランドのリブランディグを手伝ったり、NPO法人の立ち上げを支援したりしています。

私が本格的にパラレルワークを始めたきっかけは3つありました。

1つ目は一度過去に複業の経験があることです。前々職は経営コンサルだったのですが、週3日はコンサル、残りの2日は複業でデイトレーダー、という働き方をしていた時期がありました。これは仕事をかけ持つことで相乗効果があった成功例だと思っていて、またいつかこういう働き方をしたいなと思っていました。

2つ目は、もっと幅広く自分のスキルを活用してみたいと思いはじめていたことです。私は「働き方」だけが自分の専門領域ではなく、コクヨ入社前に培った「IT」「マーケティング」「ブランディング」等々のスキルも自分の強みだと思っています。それをコクヨの肩書以外でも発揮してみたいと思う機会が、社外の方との交流の中で身の回りに増えてきていました。例えば「ちょっと先を見据えた新規性の高い商品企画を手伝う」というような、コクヨで働き方を研究するという文脈で関わるには難しいけど、若原個人としては興味があるし、自分のスキルを活かして何らか貢献できそう、と思うような機会ですね。

3つ目は「複業ナイト」というイベントに行った時にインパクトを受けた事です。イベントに集まるパラレルワーカーたちが口をそろえて言っていたのは、「働く場所が複数できると、そもそも自分がどういう人生を送りたいのかをより強く意識するようになった」ということでした。本当の意味で自分の人生の主人公になれるような感じがして、背中を後押しされましたね。


安永:
異なる場ごとに培ってきたことを統合的に見られるようになるのっていいですよね。
先ほどからお話ししている通り、以前から私は、仕事も生活も直感的に色々な場を行ったり来たりしてきました。当然、状況ごとに触れ合う人々も全く違うタイプでしたし、その切り替わりが非常に即興的で演劇的な「プレイ」をしているように感じていたんです。境界線を越えたり消したりするのではなく、”溶かす”ようなことだと思うんですけど、どこかで得た体験や印象を、また別の場や環境に浮かび上がらせるということを本能的にやっているという。


安永哲郎さん

2パラレルワーカーのメリット / デメリット / 複業間のバランスの取り方

若原:
私はあまりパラレルワーカーであることのデメリットを感じてはいませんが、過渡期にいる、という意味で苦労している点はいくつかあります。
例えば、コクヨの仕事、複業の仕事、それ以外の時間、という観点で一日の時間の使い方を再構成していくことが必要となりますが、物事の優先度付けはなかなか大変ですね。特に私の場合、複業を始めたタイミングで第一子が生まれるというライフステージの変化もあったので、なおさら苦労しています。
また、コクヨから貸与されているパソコンや携帯電話をどこまで使うかというのも悩ましい点でした。利便性を考えるとコクヨの仕事も複業も1つのパソコンや携帯電話でまかなえるにこしたことはないのですが、コクヨのパソコンや携帯電話はコクヨの仕事をするために貸与されているわけなので、私はそれらのツールは会社用と個人用で完璧に分けるようにしています。

安永さんは、複業される中で苦労されている点などありますか?


安永:
“境界線を溶かす”というマインドセットが自分を楽にしてくれているおかげで、さほど精神的な苦労は感じません。とはいえ、物理的な問題となるとまた別でして。
コクヨでの拠点は千駄ヶ谷のTHINK OF THINGSですが、部門横断的なプロジェクトで品川オフィスにも週に数回行っています。かたや社会福祉法人では、町田市の本部と渋谷区の開園準備現場での業務が並走しています。そのため、朝7時に品川でミーティングをした後、出勤ラッシュを急ぎ足で逆行し、10時までに町田に行って、夜には千駄ヶ谷のショップに戻ってイベント運営…というようなアクロバティックなスケジュールが生じることもしばしばで。

また、当然ですが、法人ごとに仕事への向き合い方やカルチャーが違うことも大きな戸惑いでした。仕事をする=パソコンと向き合うという習慣に浸かっていた自分にとって、保育園はまったくの別世界でした。子どもが日中の大半を過ごす生活の場で、職員たちにとっては雑談こそが重要な仕事なんです。季節の移り変わりに気づいたり、みんなでの食事を楽しんだりしながら、今日はこんなできごとがあった、誰がどんな遊びをした、といったエピソードを共有することがものすごい価値を持っている場所なんですね。それはもう、ワークライフバランスなんて言葉が軽薄に思えるほどに。

そんな働き方をしていると、境界線が溶けるスピードがどんどん速まっていくのを感じます。ブレない軸にしがみつくのはなく、いつどの方向へでもしなやかに振れまくり、浸透しまくる状態というか。そんな“しなやかさ”を一年間のうちに体得していきました。


若原:
その“しなやかさ”は非常に共感する感覚です。
その場の正しい振る舞いとともに、ニュートラルな自分とは何かを考えながら行動している気がします。


対談風景

3「ワークライフバランス」という言葉への違和感と、「種明かし」の時代の到来

若原:
安永さんは“境界線を溶かす”をコンセプトに活動されているというお話でしたが、「ワーク」と「ライフ」の境界線やそのバランスについてはどういう考えをお持ちですか?
アニュアルレポートの中では、10年後には「ワークライフバランス」という言葉自体が無くなっている。その境界自体が曖昧になっていくという仮説を挙げています。


安永:
ワークライフバランスって、誰が発信者になるかによってまったく違う意味をもつ言葉だと思うんです。
ワーカー側の自律的な意気込みのように使われるけど、これって実際は企業側の視点が強く作用しているんじゃないですか。「就業時間の中は義務を果たしなさい。そこから先は各自責任を持って充実させなさい」。要はワークもライフも”生産性”という定規で測りなさい、というお達しなわけで。
そもそもワークとライフのバランスは人それぞれであっていいし、ワークとライフって対立概念だったっけ?というところから考えてもいいし。私はワークの中にはプレイ(演じる・遊ぶ)の要素があると思っているので、ワーカー自身が限られた時間の中で自らの置き方をどれだけ主体的な意思で最適化できるかという問いを立てる方が健康的になるのではないかと見ています。


若原:
非常に共感します。
「ワークライフバランス」と聞いた時に、ここでの“ワーク”の要素は何か義務感があるというか、従属的な概念に見えますよね。なので、世間でよく言われる「ワークライフバランス」の本質は、仕事とプライベートのバランス、という表面的なものではなく、自分の生活の中での主体的要素と従属的要素のバランス、と言い替えられるのかもしれないですね。
私もそうなってきているのですが、仕事に主体的に取り組んで楽しめる人たちにとっては、いわゆる“ワーク”も“ライフ”も主体的な要素なので、「主体的要素と従属的要素のバランスをとる」という意味でのワークライフバランスにはあまり意味がない、という感覚になるのだと思います。


安永:
ワーカーと雇用主の構造を歴史から紐解けば明らかですよね。
従前的な集約型労働では休暇や余暇は労働の一部であって、要するに「ちゃんと働くために休みましょう」と言っているんですね。しかし、ここ数年「働くことも暮らすことも等しく自分のことだ」と考える人が増えている印象です。


若原強さん

410年後のワークスタイルはどのようなものになる?WORK IDEA2030を語る。

WORK IDEA2030

若原:
ここからは、当研究所のアニュアルレポート「WORK IDEA2030」の内容について安永さんと掘り下げていきたいと思います。約10年後の働き方を想像するにあたり、まず今から10年前のお互いの身の回りはどんな状況だったか、軽くふりかえってみましょうか。


安永:
10年ほど前は、働き方に関して「ナレッジマネジメント(組織の中の暗黙知をどううまく活用していくか)」などのトピックが話題になっていたくらいかと思います。
組織の中の集合知や顕在化していないものに価値を見出そうという兆しが現れ出してきた頃ですかね。


若原:
当時私はマーケティングやブランディングのコンサルタントをやっていましたが、安永さんの言う「顕在化していないものの価値」という意味では、ちょうどアンケート調査の限界が見えてきた時代だったともいえるかもしれません。
言葉で聞いても出てこない、そもそも自分で意識していない所に本当のニーズや答えがあるのではないかということで、行動観察やニューロマーケティング(脳波計測をもとにした調査方法)が話題になり始めていました。


安永:
自分がまさにそうなんですが、就職氷河期入社した世代が30代になり、企業ではそれなりの役割や責任が任されはじめるようになるった頃がちょうど10年前くらいということになりますね。

当時は今のようなSNSこそなかったですが、なんとなく “シェアする”という感覚が芽生える前夜のようなイメージだったのかな?世代ごとに捉え方のギャップはあれど、クールビズなども普及し出して、会社の中の雰囲気にも変化の兆しがあったような。そう考えると、今の価値観につながる動きは着々と準備されていたのかもしれません。昔は特別だった「ペットボトルで水を買う」行為が今では普通になっているのと近い感じですかね。


若原:
というのが10年前の感覚だとすると、今から約10年後となる2030年での働き方ってどうなっているんでしょう?今日は、この「WORK IDEA 2030」の中でも、「自分 / 他人とより良く働く」という未来を見据えたワークスタイルにフォーカスをあわせていければ。

この中で出ているアイデア「2.キャリア・スキルの自動サマリー」は、人工知能が自分のキャリアの変化やプロジェクト履歴、さらには学習したスキルまでを常に自動的にまとめていってくれるというアイデアです。転職や複業が一般化し、より流動的にキャリアを歩む人が増えていく中、こういったサービスが登場するのではと考えました。

実際に私も、現在2社で複業していて、2枚の名刺を出して自己紹介することが非効率と思うことが増えてきています。近々、複数の所属を併記した1枚の名刺にまとめてみようかとも考えています。経歴や所属や肩書きとかに、あまり捉われなくなっている未来も想像できますが、安永さんは、ここらへんについてどう考えられていますか?


WORK IDEA2030

安永:
経歴のサマリーがその人のバックグラウンドを表す一方で、その情報を受け取る側にも勝手に想像する余地が開かれていると考えてみたら面白くないですか?
一見脈絡がないように見える勤務先や肩書きの羅列を見ていると、その人の“人生の行間”が読み解けるような気がするんですよね。そこから立ち上がってくる対話がオーガニックな関係性を導き出すように思います。ある種、大喜利や挑戦状のような感覚で使うというか。


若原:
確かに!そのオーガニックな関係性のつながりは今も可能性として感じる事があります。
私も、IT→経営コンサル→ブランドコンサル→コクヨ、という4社で転職を経験したことを人に話す時に、「いろいろやられてるんですね」で終わる人と、「何でそうなったんですか?」とツッコミが入る人がいます。後者の方が、その後の関係性の広がりへの期待が高まる感じがあるかもしれないです。

他にも、人工知能との関わりを描いたアイデアがいくつかありまして、自分のマネージャー的に動いてくれる人工知能だけでなく、人がやると気まずくなったりする調整役になってくれるアイデアもあります。
安永さんは、どのように人工知能が働く現場に入ってくる未来を想像されていますか?


WORK IDEA2030冊子

安永:
圧倒的な能力で面倒ごとを回避してくれるのは魅力的ですよね。
ただそれ以前気になるのが、今の人工知能が「意味を“本質的に”理解できない」ことや、「過去の参照から回答を導き出している」ことです。そこが人間と決定的に違うという点を忘れたまま議論してはいけないと思います。

人間同士の対話では、相手の言っている言葉を表層的になぞるだけで意味理解をしているわけではないですよね。文脈やさまざまな非言語表現も複層的に組み合わせながら、「何でこの人はこう言ってるんだろう」という思考が伴ってはじめて認知や理解が生まれる。だからこそ誤解も生じるんですけど。このことはすごく重要で、そもそも人工知能を利用するシーンや用途が限定的でないといけない理由もそこにあります。
一瞬で最短ルートを教えてくれる路線案内アプリはマジ神と呼んでもいいけど「こうした方が良い」というAIからのサジェスチョン(提案)のような情報に対して、自分はまだ懐疑的です。その意味で、すば抜けて優秀なテクノロジーツールではあるけれども、あらゆる潜在性を引き出す万能薬ではないことを前提に置いているのが正直な気持ちです。AIを信じるか信じないかという議論でしかないのかもしれませんし、信じる方が技術の躍進に近づくことも理解した上でなんですが、ここはちょっと慎重にいきたいなと。


若原:
東大入試にチャレンジしていたAI「東ロボくん」も、「意味を深く理解しないといけないことを聞かれる問題が解けない」ということで東大合格を断念したと言われてましたね。読解力が必要となる国語の問題などは意味を理解していないので難しい。


安永:
国語のテストの採点者側が人工知能になったらまた話は違ってくるかもしれませんね。
人工知能は万能なようでいて、その意思決定には何の意味も責任も負っていないということを、きちんと人間側が理解しておく必要があると思っています。そもそも人工知能が識別する合理性と人間が大切にする合理性が同質のものとは限らないですからね。


若原:
人工知能は絶対的に信頼を置くべきものではないですよね。
打ち合わせの場に数人いたらその数人の意見が違うのと同じ。一意見として取り入れるようなスタンスが良いと思います。

少しトピックを変えてもいいですか?
働き方の中で、「ダイバーシティ」の議論がよく話されます。
国籍や性別という軸が今はよく話題に挙がりますが、10年後にはさらに軸自体が多様化し、働く価値観や歩んできたキャリアなどもダイバーシティの一つとして捉えられていくのではないかという話が出ています。 そうした時に、多様性自体が多様化していく状況を平準化するのか / 理解するのか という2つのアプローチがあるのではとも考えています。

「8.属性がわからなくなるルーム」では、相手の顔や声などをモザイクのように平準化してしまって、変なバイアスがかからないようにするというアプローチです。海外でも、顔や性別・住所など一切の属性を見せずにスキルだけでビジネスマッチングするサービスなどが出てきていますね。
一方、「12.別人ライフスタイル研修」では、VR上で相手になりきることで、理解を深めるアプローチをとっています。セクハラを受ける女性の視点を男性が体験し、セクハラについてより深く理解するようなイメージです。


WORK IDEA2030冊子

安永:
差別の要因をなくしても、人間が生来的に持っている差別意識そのものをなくすことはできないという問題があります。それがある限り、ある要因を取り除いても、何かの形で新しい種類の差別が生まれてしまうリスクをとらなければいけない。
「理解」というものも同様で、ある種のバイアス、つまり選択や排除をかけた結果得られる“理解できたような気分”というものを、どれだけ超えていけるかは疑問です。

そういう意味で、この二つのアイデアは「お互いを完全に理解しあうのは難しい」ということを理解するのに役に立つのでしょう。本能的な差別を取り去ることができない中で、いかにそれと向き合いながら不正義を起こさないようにしていくかを考え続ける、というとわかりやすいでしょうか。難しい課題をどう乗り越えていくのか?という態度をみんなで共有できる状況は非常に建設的だと思うんです。


若原:
それは面白い考え方です。
本質的な解決手段にはならないかもしれないけど、「種明かし」のきっかけにはなるということですね。


安永:
正直なところ、「解決できるなんて態度はウソだろ」という思いもあります。完全にクリーンな状態を善とする態度は、そうでないグレーなものに蓋をする態度と表裏一体じゃないかと思うんですね。
それよりも、いかに「誰でも誰かを傷つける可能性がある」という感覚に敏感でいられるかということをより善く生きるために大切にしたいなと。だからこそ、人々が集って働くというのは難しいけれどもすごくクリエイティブなのだと...なんて、無理やりまとめすぎですかね(笑)


若原:
まとめていただいてありがとうございます(笑)
それでは、ここらへんで今回は終わりたいと思います。安永さん、ありがとうございました。


対談後の二人

撮影場所:THINK OF THINGS


Profile

安永哲郎
1999年コクヨ株式会社に入社。研究開発〜事業開発を経てクリエイティブセンター所属。
これまでにアルスエレクトロニカ、ロンドン芸術大学CCW、レッジョ・チルドレンなどとの共同研究や、 美術や知育をテーマにした各種新規事業開発を手掛ける。現在は東京・千駄ヶ谷のショップ&カフェ 「THINK OF THINGS」のコンテンツ開発、コクヨグループ内のインナーブランディングなどを担当。 複業として社会福祉法人東香会の理事に就任し「しぜんの国保育園」の運営や新規開園に携わるほか、 個人名義では音楽関連の企画制作、編集、執筆などを行っている。NPO法人CANVASフェロー。

一覧に戻る
お問い合わせはこちら